乾漆虚空蔵菩薩半跏像(かんしつこくうぞうぼさつはんかぞう)

日本最古の智恵仏

イメージ:乾漆虚空蔵菩薩半跏像
イメージ:乾漆虚空蔵菩薩半跏像

頭・体部の心木を前後で合わせ、表面に漆の布を貼り合わせた木心乾漆造りの虚空蔵菩薩像です。虚空蔵菩薩は、智恵と福を授ける仏様で、額安寺の根本本尊です。現存する虚空蔵菩薩像の作例としては日本最古のものであり、奈良時代末頃(757年頃:天平末期)の制作と推定されています。額安寺開基の道慈律師が晩年、虚空蔵求聞持法の主尊として虚空蔵菩薩像を安置し、宗法の興隆に努めたと言われています。鎌倉時代後期(1282年)には、損傷が進んだため西大寺律僧の叡尊が、仏師の善春や絵師の明澄に補修させ、開眼供養を行ったことが台座に記されています。

虚空蔵求聞持法

虚空蔵菩薩を念じて記憶力を得るもので、真言宗の開祖である空海が、仏教の正当性を論理的に説いた「三教指帰(さんごうしいき)」の中で、この真言を百万回唱えれば大変な暗記力を得られると著しています。智慧や暗記力に加え、あらゆる財宝を得られる功徳、所願成就の功徳があるとされています。空海自身も徳島県室戸岬の御厨人窟 (みくろど)と呼ばれる洞窟内でこの修法を行っています。虚空蔵菩薩への祈りを唱え続けていたある日、突然口の中に光りが飛び込み、その瞬間に「空」と「海が輝いて見え、求聞持法を会得して無限の智恵を手に入れたと言われています。空海の名もそこからとったと言われています。